咬み合わせについて | about Occlusion
Peter Dawson先生の中心位を基盤とする咬合治療
私たちの歯科医院では、世界的に著名な歯科医師であるPeter Dawson先生の推奨する中心位(Centric Relation)を基盤とした咬合治療を積極的に行っています。患者さんの口腔全体の健康と機能性を最優先に考え、質の高い治療を提供いたします。
1.中心位に基づく咬合治療の重要性
中心位とは、顎関節が最も安定し、筋肉がリラックスした状態での顎関節の位置を指します。このポジションを基盤とすることで、顎関節や筋肉、歯や歯周組織(歯ぐきと歯を支える骨)に負担をかけず、長期的な口腔健康を維持することができます。当院では、この理論に基づき、最適な咬合治療を提供しています。
2.顎関節を含めた咬合の診査
当院では、デンタルドックで中心位を採得(記録)し、その位置が咬合器上に再現された歯形模型を作成します。それにより顎関節や咀嚼筋を含めた正確で包括的な診査、診断を行っています。
3.個別にカスタマイズされた治療計画
患者さん一人ひとりの口腔状態や咬合の問題を詳細に評価し、最適な治療計画を立てます。中心位を正確に捉え、咬合調整や補綴治療を行うことで、自然で快適な噛み合わせの実現を目指します。これにより、長期的な安定が期待できます。
4.継続的なフォローアップと予防歯科
治療後のフォローアップや定期検診を通じて、治療効果の維持と再発防止に努めています。また、予防歯科にも力を入れ、患者さんの口腔健康を長期間にわたってサポートします。
5.患者さんとの信頼関係
私たちの歯科医院では、患者さんとの信頼関係を大切にしています。治療前には丁寧なカウンセリングを行い、患者さんの疑問や不安を解消します。また、治療中もリラックスしていただけるよう、細やかな配慮を心がけています。
ピーター・ドーソン先生は、歯科史上最も影響力のある臨床医および教師の一人とみなされています。史上最高のベストセラー書籍『咬合問題および機能的咬合の評価、診断、治療、TMJ からスマイル デザインまで』の著者です。
また、Concept of Complete Dentistry シリーズおよび The Dawson Academy の創設者でもあります。数々の賞や特別表彰に加え、ドーソン博士は、アメリカ咬合調整学会、修復歯科学会、アメリカ審美歯科学会の元会長でもあります。
中心位(顎関節が最も安定し、筋肉がリラックスした状態での顎関節の位置)について、ドーソン先生は著書の中で次のように話されています。
Bi-Manual Manipulation
咬み合わせの安定について
口の健康にとって大切なことは、「清潔であること(細菌の数が少ないこと)」と「咬み合わせの力のバランスが安定していること」の2つです。
ですので、咬み合わせは口の健康にとってとても重要です。
しかし、そもそも「力のバランスが安定している」というのはいったいどういう状態なのでしょう?実はわかりにくいと思います。
「力のバランスが安定している」という状態は、基本的に顎にかかるその大きな力をできるだけ多くの歯で支えるということになるのですが、そこには顎の関節の位置が関係します。
咬み合わせについては、次の2つの位置を理解すればわかりやすいです。
・下顎の関節が受け皿にしっかりはまり込んだ「関節や筋肉が安定する位置」
・より多くの歯が接触している「上下の歯のあたり方が安定する位置」
この2つの位置が矛盾なく一致することが「力のバランスが安定している」状態といえます。
しかし実際には、顎の関節が安定する位置では上下の歯は一か所しかあたらず(図A)、上下の歯が多く接触する位置では顎の関節の位置がずれている(図B)。ということがよくあります。
顎の運動
顎の関節は、口を開閉すると回転します。また大きく開けたり、顎を前に出すときには、下顎の関節が前方に引かれて関節の斜面を前方にスライドし、受け皿から前方にはずれます。
口を閉じる場合は、筋肉によって下の歯が上の歯に当たるまで下顎を引き上げます。そして顎の関節を受け皿内の開始位置に戻します。
理想的な状況では、上下の歯が当たったときに関節が受け皿にしっかりはまり込み、それぞれの歯に均等に、そして同時に力がかかります。
しかし、前述のように他の歯の邪魔になるような歯が1本あれば、顎が反射的にその歯を避けるように下顎がシフトしてもっとも多くの歯があたる場所を見つけます。
これはそれぞれの歯についているセンサーからの情報が脳で計算されて、「顎関節が安定する位置(図A)」を「上下の歯のあたり方が落ち着く(安定する)位置(図B)」に移動させることで達成されます。
これは、1本の歯だけに大きな力がかかることを避け、歯を外傷から守るための方法でもあります。
しかし、時間が経つにつれてこの変化は、関節や筋肉の痛み、それにともなう開口障害、頭痛、歯の痛み、歯の破折や動揺、うつ病などの精神的な問題などさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
診断と治療
患者さんそれぞれの複雑な咬み合わせを理解するためには、デンタルドックのデータがとても役立ちます。
咬み合わせの問題を診断するために、歯の模型を作り、関節が正しい位置にあるときに上下の歯がどのように接触するかを正確に再現できるシミュレーター(咬合器)に模型を取り付けます。顎の動きが精密に再現できるこの模型をはじめ、関節や筋肉の検査データ、その他レントゲン、歯を支えている骨や歯ぐきのデータ、食事など普段の生活の中で感じている主観的なデータを分析して診断します。
必要に応じてMRIの画像を参考にする場合もあります。
それぞれデータを分析して、咬み合わせの問題を治療するためのもっともシンプルで、そして最も侵襲性の低い、より良い方法を検討します。
治療の方法としては、スプリント療法(マウスピース装着)、咬合調整、歯列矯正、歯冠補綴(歯を被せる治療)などがあり、これらを組み合わせて計画されます。
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